「ブラックメイル」とペニー・ジョーダン

 キターーーーー!

「ブラックメイル」
 上から目線のヒーローは多いけれど、さすがはペニー・ジョーダン。暴走ぶりが半端じゃないぜ!
 オーストラリアのぶどう園で修業を積んだ22歳のヒロインは、イギリスの高級スーパーマーケットに就職し、ワイン販売部門で才能を発揮している。
 今回は上司と共にフランスのシャトーへと、買い付け交渉に来ている。アメリカ人の婚約者は男の上司との出張に良い顔をしなかった。その上、仕事を辞めろと言い出す始末だった。
 美しいシャトーに到着すると、思わぬ人物がヒロインを待っていた。6年前、淡い恋心を抱いたヒーロー。彼がこのシャトーの主で、今回の買い付けの交渉相手だった。
 ヒーローとヒロインの母親、そしてヒーロー叔母(ヒロインの名付け親)が友人同士という関係で、ヒロインはヒーローとひと夏を共に過ごした仲だった。そして、その時に友人の策略にはまり、ヒロイン名義の卑猥な手紙(*電子メールじゃないよ、手紙だよん!)がヒーローに渡ってしまったのだった。
 ヒロインは6年前の手紙を元に脅され、隣に住む未亡人を避けるにはこの手しかないと、ヒーローに契約結婚を迫られる。全く自分に否はないがヒロインの訴えは、今回もヒーローには伝わらなかった。
 そして、2人の結婚が単なる上辺だけのものではなくなる出来事が起きてしまう。
 相変わらず中2病のヒーローが己の恋の成就のために、ヒロインを滅多打ちにしていきます(⇒ヒーローに思いを寄せていたヒロインは始終耐えています。凄い根性だよ)。
 2人の出会いはヒーロー25歳、ヒロイン16歳。禁断の恋にブレーキをかけられないヒーローは、ヒロインを責めることで自分の思いを封じ込めました。それが、ヒロイン友人が書いた卑猥な手紙を、ヒロイン自身が書いたと思い込むこと。
 そして、全てが自分の勘違いだと知ると、今度はヒロインに逆ギレする……ここまで来るとくると読んでいてイライラするというより、あまりにもお子ちゃまな言動に呆れかえってしまいました(⇒イライラの向こう側に行ってしまったよ)。
 恋のライバルたち(⇒手紙を書いたヒロイン友人も、どうやらヒーローが好きだったみたいです)は笑っちゃうくらい意地悪だし、やたらと登場人物は多いし~中盤はしっちゃかめっちゃかの大騒動な内容になっています。
 やはりペニー作品は他の作家さんが追随できない、超暴走級ヒーローを楽しむことができますね~♪


ブラックメイル

ブラックメイル

[著]ペニー・ジョーダン [翻訳]中原もえ

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「プレゼントは赤ちゃん」とローリー・ペイジ

 何様のつもりじゃ!

「プレゼントは赤ちゃん」
 上から目線のヒーローは多いけれど、今回ほどイライラさせられた作品はありませんでした。
 ヒロインは30歳の誕生日に初恋の相手であるヒーローから貴重なプレゼントをもらった――ずっと欲しかった赤ん坊を妊娠しヒーローに告げたところ、酔っぱらっていた彼はその夜の記憶を一切覚えていなかった。
 愛する妻を事故で失ったヒーローは「妻以外の女性を受け入れられるはずがない」と主張して、ヒロインの話を真っ向から否定した。牧場を経営し、豊かな生活を送る男やもめを騙す女だと、ヒロインを蔑んだのだ。
 不仲の両親の間に生まれたヒロインが欲しかったのは赤ん坊だけで、ヒーローに何かを要求するつもりはなかった。ところが、ヒロインのお腹の子供が自分の子だと判明すると、ヒーローはヒロインに結婚を迫ってきた。
 父親が愛人に産ませた異母弟がいたことを大人になって知ったヒーローは、自分の子供が私生児として育つことが許せなかったからだ。そして、妻の死後の残された1人息子を育てていくにも女手が必要だった。
 亡くなった妻を愛しているという設定は理解できますが、だからといって妻以外の女性を全否定するのは、理解しがたいところがあります。
 金髪碧眼の美人でスタイル抜群の亡き妻と、小柄でややポッチャリの地味女なヒロインを比べ、のっけからヒーローはこんな女を相手にするはずがないとばかりに、ヒロインを見下します(⇒ヒロインもお酒の勢いがなかったら、相手にされていなかっただろうと諦め調子でした。生い立ちのせいで自分に自信が持てない設定のせいか、ヒロインがちょっと気の毒でした)。
 そして、妻の死を悲しむあまり残された息子をガン無視し、心を閉ざすまでに追い込んだというのも……悲劇の主人公を演じているヒーローの自惚れぶりに、若干引いてしまいましたね(⇒結局、最後までヒーローは自分がいたしたことを思い出さない。それが1番のマイナスポイントですよ=最低な奴!)
 ヒロインが前向きでヒーローの息子の心を癒したり、牧場の従業員たちと打ち解けていったり、必死に努力している姿がこの作品の救いになっています。惨めなヒロインとオレ様系ヒーローという大好物の設定でしたが、この設定の悪い習慣で言葉足らずな感が残ったかなぁ~(⇒良い子ちゃんのヒロインが、すぐにヒーローを許しちゃうしね)。

プレゼントは赤ちゃん

プレゼントは赤ちゃん

[著]ローリー・ペイジ [翻訳]宇野千里

「結婚する理由」とベティ・ニールズ

 真央ちゃん、お疲れ様でした。

「結婚する理由」
 とうとうこの日が来てしまいました。女子フィギュアスケートの一時代を牽引した浅田真央選手が引退を発表しました。世界中から惜しむ声が聞こえてきますが、ずっとトップで居続けるためには相当な努力や苦労があったかと思います。真央ちゃんは華があって実力もある、(それなのにお高くとまった感じがしない)貴重な唯一無二の存在でした。
 オリンピック出場枠が3から2に減り、日本女子フィギュアスケートの行く末も気になるところですが……真央ちゃんのスケーティングをお手本に、世代交代が進んでいくことを願うばかりです。
 今回の作品は4月20日発売の新刊です。ヒロインは両親を亡くした後、年金暮らしの祖父と一緒に暮らすようになった。裕福だと思っていた父親は借金まみれで、祖父の財産も使い込み、今はギリギリの生活を強いられている。やっと見つけた病院での雑用仕事で、少しは生活にゆとりが持てそうだ。
 仕事はきついし、周囲のスタッフからは小馬鹿にされるが、唯一優しく接してくれる医師(=ヒーロー)がいた。祖父と散歩中に公園でヒーローと彼の甥たちと出会い、ヒロインの生活は一変する。
 弟夫妻が外国に出張中で、2人の甥を預かっているヒーロー。甥たちが病気にかかり、ヒーロー自身が面倒を見られないため、ヒロインを2人の世話係として雇いたいと言い出したのだった。
 給金は雑務仕事よりも多く、しかも祖父も一緒に郊外の別宅に招きたいという。夢のような申し出に心浮き立つヒロインだったが、ヒーロー弟夫妻の訃報で事態は思わぬ方向に進んでいく。
 ヒーロー甥っ子たちの親権問題に巻き込まれたヒロインが、ヒーローと契約結婚するというのが大筋です(⇒ANDいわゆるいつもの「一目でヒロインにロックオンしたヒーロー」の暴走物語でもあります)。
 幼くして両親を亡くした子供たちに、同じく両親を亡くしたヒロインが優しく寄り添います。娘の死を受け入れられないヒーロー弟嫁の母親は、幼い孫たちに悲しみを押し付けるのですが……その辺りの描写が恋のライバルなどと違って、すごく性質が悪いというか~人間の奥底に潜む心の闇を感じました。
 結婚する理由は勿論ラブしかない。それ以上の理由もいらないという、まぁ、幸せカップルのお話ですね。

結婚する理由 ベティ・ニールズ選集 13

結婚する理由 ベティ・ニールズ選集 13

[著]ベティ・ニールズ [翻訳]上木治子


「ボスは独身」とパメラ・イングラム

あれれ、デジャヴ!?

「ボスは独身」
 前回の「結婚はだめ」を読み終え、図書館で借りたこの作品を読んでいたら~あら、あら、さっき読んだような感覚に陥りました。
 ヒロインは元上司に誘惑され、妊娠をきっかけに捨てられたシングルマザー。今日は30歳の誕生日だというのに失業中の身の上だった。
 知人から仕入れた情報で大企業の重役秘書を探していると知り、早速面接に出かけていった。ところが、肝心の重役は出張中で、何故か社長であるヒーローの臨時秘書として働くことになってしまった。
 裕福でハンサムなヒーローに心ときめくヒロインだが、過去の苦い経験から上司は秘書とは恋に落ちないと知っていた。ましてや、自分のような平凡なシングルマザーには興味がないと諦めていた。
 一方、ヒーローは秘書が長期休暇で留守にしていたため、仕事が滞り困っていたところだった。そして、ヒロインが勤めていたという企業を、密かに買収しようと計画していた。ヒロインを臨時秘書に迎えることは、一石二鳥の名案だったはずだが、実は一目見た瞬間にヒーローはヒロインに惹かれてしまったのだった。
 社長と秘書、シングルマザー(*子供は両作品とも娘です)。そして、結婚できない理由がある――軸になる設定はそっくりですが、こちらの作品の方が「結婚はだめ」よりもずっと軽めです。
 ただ、ヒーローの生い立ちや、兄弟、母親との距離、企業買収、ヒロイン娘の病気、ヒロイン母の怪我等々ちょっとてんこ盛り過ぎて、若干うるさい感じが残りました。
 そして、こちらの娘ちゃんはまだ2歳なので台詞はほとんどありませんが、《よだれを垂らしながら愛嬌を振りまく》といったような子供らしい描写が可愛かったです。
 ちなみに、Renta!サイトにはコミックしかありませんでした(*まさか「いるかちゃんヨロシク」の浦川まさる先生だったとは! 懐かしい~!!)

ボスは独身

ボスは独身

[著]浦川まさる [原作]パメラ・イングラム



「結婚はだめ」とヘレン・ブルックス

 絶品!

「結婚はだめ」
 我慢できず手を出してしまいました。勿論、大正解でした~♪
 4歳の娘を抱えた未亡人のヒロインは、勤めていた会社が倒産し、ある企業の社長秘書の職を求めて面接を受けに行った。
幼い頃に両親を失い、孤独な少女時代を過ごしたヒロインは、自分に自信が持てずにいた。その上、若くして結婚した夫に虐げられて、特に男性への不信感は大きかった。
 上司になる社長(=ヒーロー)は傲慢で冷酷そうな男性だ。面接前に出会った印象から小馬鹿にされているような気がするが、娘との生活のため好条件のこの仕事が欲しかった。しかし、この雰囲気だと次の求人を探すしかなさそうだと諦めていた。
 気落ちしているヒロインの元に、採用の連絡が入る。夫が作った借金の返済のため、愛する娘のため、秘書の仕事に精を出そう。そう決意したものの、見かけと違って実は優しく気さくな社長に惹かれ始めていた。
 元夫のせいで猜疑心が強くなったヒロインは、ヒーローの優しさを素直に受け入れることができないのですが……諸悪の元凶だった元夫は、アルコール依存症のDV野郎です。然るべきところに逃げ込めば助かることもできたのでしょうが、娘が人質のような立場となり我慢する日々を送っていました。
 そんな過去があるから自分の幸せよりも、娘の幸せを優先する気持ちが強いのかもしれないのだけれど~この辺りが小説だとヒロインが頑なすぎて、ちょっとヒステリックな印象でキツいかな!?
 穏やか路線のコミックか!? それともパッション(情熱)多めの小説か!?(*ヒーローはイギリス&コロンビアのハーフで、実はラテンの血が濃い~設定です。) 好みが分かれるところですね。
 パッション過多のヒーローがヒロインに言った台詞がこちら⇒
「たとえ天と地が消えて、月が輝くのをやめて、太陽が海に沈んでも、僕は君を愛しつづけるよ」
 たとえ、小説や漫画、ドラマでも、日本人には一生言えないような超ロマンティックなセリフです。
コミック、小説、どちらもヒロイン娘が最高に可愛いかったです!(*コミックだと無邪気で可愛い感じですが、小説だと少しおませさんで、お喋りさんです♪)
 ちなみに、映画「チキチキバンバン」を見たヒロイン娘が、今1番お気に入りの言葉が「絶品」だそうです。「チキチキバンバン」の作者はまさかのイアン・フレミング!! 私も子供の頃、「月曜ロードショー」で見ましたよ。

結婚はだめ

結婚はだめ

[著]ヘレン・ブルックス [翻訳]上村悦子



結婚はだめ

結婚はだめ

[著]河村恵利 [原作]ヘレン・ブルックス