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「殺され急ぐ女たち」とエマ・ダーシー

 バレる嘘はつかない 
 
「殺され急ぐ女たち」(集英社文庫)
 先週、世界的に活躍する某大物俳優の不倫が発覚しました。すわ、相手はハリウッド女優か!?とどよめきましたが、実際は……ロマンス小説みたいなゴージャスな恋愛劇を想像してしまったので、(関係者の方々には申し訳ないのですが)正直ガッカリでした(⇒ベン・アフレックの浮気騒動もガッカリしたわ~)。当たり前なのですが、現実の男女の関係ってこんなものなのですね。
 今回の作品はエダ・マーシー渾身のミステリーです。夫を癌で亡くした40代のロマンス小説家のヒロインは、取材を兼ねてアデレードとダーウィンを結ぶ大陸縦断鉄道「ザ·ガン」に乗り込んだ。以前、殺人事件に巻き込まれたことで、大学生の一人息子はやたらと母親に過保護になっている。今回の旅行では息子からの監視を逃れ、思い切り楽しむつもりだ。
 しかし、同じ車両に乗り込んだグループのせいで、楽しい気分はお預けになりそうだった。中でも最悪なのはグループの面々の弱点を握っていると思われる、ゴシップ記者の女性。周囲の反応を楽しみながら、自分が知っている情報をこれ見よがしに喋り始めた。
 浮気、倒産、病気、性嗜好……他人には知られたくない個人的な秘密を抱えた人々が、ゴシップ記者から身を守るためあれこれと策を巡らす中、グループの中心人物である財閥の令嬢だけは無関心だった。
 無邪気にヒロインのファンを公言し、夫と友人夫妻、2人のおばたちと旅を満喫している様子だ。だが、夫は陰で友人と浮気をし、おばたちの秘書にも手を出し、過去に結婚歴もあるらしい。財産目当ての結婚だと周囲は囁いるが、本人が幸せならばと諦めているようだ。
 そして、事件は起きる――諸悪の元凶のような女性記者が、何者かに殺されたのだ。
 さすがはエマ・ダーシー、登場人物の心模様の描き方が的確でした(⇒浮気夫の心情が少なめだったけれど、どうせロクなことは考えていないから良いでしょうね。いつかばれる嘘なら、最初からつかなきゃいいのに……彼は本当に残念な男でした)。犯人は「そうきたか!」の人物でしたが、納得できました。
 エマ・ダーシー初となる犯罪小説(このシリーズの第1弾「Who Killed Angelique?」) が、ネッド・ケリー賞(オーストラリア推理作家協会賞)処女作部門を受賞しました。そして、第2作となるこの作品は、同賞の長編部門の最終候補となったそうです。
 それなのに~日本では第1弾はスルーされ、続編も出版されていません(*あとがきに第3弾の内容がちらりと載っていました)。何とも勿体無い話です。この作品しか読めないけれど、この作品1冊でも充分楽しめます(⇒乗り物酔いが酷いけれど客船と鉄道、豪華な旅ならどちらもしたいわ~♪ ちなみに「ザ・ガン」はこの作品が出版された後、更に豪華になったようです。)
*ちなみに、ミステリー多めで、ロマンスは少なめといった内容です。

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