FC2ブログ

「別れは恋人たちの街で」とナタリー・アンダーソン

 紙一重の作品でした。

「別れは恋人たちの街で」
 プロの声楽家を目指す妹と共にロンドンを目指していたヒロインは、旅の途中でイタリア・ヴェローナに立ち寄った。今夜は楽しみにしていたオペラ鑑賞だ。しかし、前に座る男性が周囲への迷惑を考えず、開幕直前まで携帯電話をいじっているではないか! そして、あろうことかイラつくヒロインの姿を撮影したのだ。
 ヒーローは後ろの席に座る美しい女性が気になって仕方がなかった。だから、わざと彼女の邪魔をしたり、携帯をいじったりして様子を探っていたのだ。そして、不機嫌そうに自分を睨み付けるヒロインの姿を写真に収めたのだった。
 喉が渇きせき込んだヒロインのためヒーローはミネラルウオーターを差し出し、ヒロインの怒りも徐々に収まっていった。それよりも、イタリア人ヒーローの男性的な魅力に一目で引き込まれてしまったせいかもしれない。
 簡単な自己紹介をして、その場で別れた2人だったが、オペラ鑑賞の後に劇場の外で再会する。ヒロイン妹を3人でワインを楽しみ、翌日また会う約束まで交わしてしまう。そして、美しい庭園でのピクニック・ランチを楽しんだヒーローとヒロインは、高級ホテルのスイートルームで官能的な時を過ごすのだった。
 ヒロインは高校卒業後、自分の人生を後回しにして、亡き両親に代わり妹を育ててきました。その妹が夢を叶えるため、自立の道に向い始めている。それならば、今度は自分自身のために何かを見つけたい……そう思っている矢先、普段なら決して出会うはずがないような完璧な男性(=ヒーロー)と出会いました。
 一方、ヒーローは幼い頃に母親を亡くし、大学生の頃に付き合っていた恋人(*彼女の希望を尊重し速攻で結婚する)にも先立たれ、心から誰かと深い仲になることが怖くなっていた。なので、初めて会ったヒロインを欲する気持ちの強さに、自分でも戸惑うほどでした。
 最初は身体だけの関係でお互いに満足しようとしていた2人ですが、一緒に過ごす時間が長くなるにつれ、複雑な心情になっていきます。その心模様の描き方が絶妙で、最後まで納得できる展開になっています。
 でも、(身体だけの関係という前提の付き合いなので)エロありきの内容で、のべつ幕無しに~だったので……感動するものの、ちょっと引いてしまう部分もありました(⇒でもね、嫌いじゃないよ、この作品!)。
 2人の出会いが「ロミオとジュリエット」の舞台でもある恋人たちの街ヴェローナというのが、ロマンス小説ではポイントが高いのかな~と思いました(⇒ロマンティックさをアピールできるからかな!?)。

別れは恋人たちの街で

別れは恋人たちの街で

[著]ナタリー・アンダーソン [翻訳]神鳥奈穂子

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)