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「殺意の試写状」とサンドラ・ブラウン

 どちらの展開がお好き?

「殺意の試写状」
 ミステリーには最後まで犯人がわからない通常パターンと、最初から犯人がわかっている「刑事コロンボ式(⇒古畑任三郎式と言った方がわかりやすいかな? えっ、どっちも古いって!?)」があります。今回のサンドラ作品はコロンボ式で、犯人がヒロインによって確定され、それを立証していくという展開です。
 白昼のホテルのエレベーターの中で、大富豪が殺された。犯人は逃走し行方知らずに。そして、この襲撃事件には黒幕がいるとされた――容疑者は事件現場に大富豪と一緒にいた、愛人といわれているヒロイン。しかし、ヒロインは真っ向から自分の関与を否定し、真犯人は大富豪の甥だと主張した。
 大富豪は甥とそりが合わず、自分の会社や遺産を甥に継がせることを望んでいなかった。だが、伯父の遺産を当てにしている甥は、伯父もその愛人も邪魔でしかなかった。とはいえ、直接自分が手を下せば、元も子もないとわかっている。だから、頭を使ったのだ。
 甥と事件の関連性が全くなく、しかも有能な刑事弁護士のヒーローまでも真犯人である甥の味方になりそうだった。焦ったヒロインはヒーローを誘惑し、甥の弁護に横やりを入れようとした。
 ところが、甥の異常さに気付いたヒーローは、自分の気持ちを考慮せずとも、ヒロインと共に真相を解明する道を選んだのだった。
 サイコパス的存在の甥が、映画の名場面を真似て殺人事件を起こします。その映画を見ていなくても状況説明があるので、「あぁ、そうなね」と納得できます。そのため、今まで読んできたサンドラ作品のような、ならではの個性が感じられませんでした。
 なので、個人的は物足りなかったかなぁ~というのが読後の感想です。ラブの部分もお互いにどこに惚れたのやらという感じ(⇒一目惚れっぽいけれど、ヒロインの行動がやり過ぎなので……)。
 最後にヒロインの秘密が明らかになるのですが、これまたロマンス小説あるあるです(〇〇といわれているけれど、実は~的な感じ)。
 最初から犯人がわかっているコロンボ式は、度肝を抜くような仕掛けがないと、やはりハラハラしないものなのですね。やっぱり最後まで犯人がわからない展開の方が、私は好きかもしれないです。

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